
絶賛公開中の映画『阿波DANCE』にダンス曲を提供するだけでなく役者としても出演、そして9月には2枚の CD リリース……と多忙な日々を送っているアーティスト、CO-KEY さん。インタビュー場所に現れた彼は長身で小顔、モデルみたいにカッコいい。だがそんなクールなルックスとは裏腹にご本人はとってもフレンドリーで、面白ネタが連発されるブログ同様、楽しいお話の連続だった。話の面白さもさることながらよどみなく発せられる言葉のリズム感はバツグン。やはり実力派ラッパーは言葉を操るのが上手い! と感心させられた。
CO-KEYさんが映画『阿波DANCE』に関わったきっかけは、自身のレーベルから2005年に発売されたミニアルバム『C2K(シーツーケー)』のリード曲『阿波バウンス!』(リンク先で試聴可)だった。阿波踊りのビートで阿波弁ラップを披露する、ユニークかつクールな1曲だ。
「俺の地元は徳島なんで、阿波踊りはダンス・ミュージックとして当たり前のものとしてあったんです。だから同じダンス・ミュージックのヒップホップと阿波踊りを一緒にするっていうアイディアは当たり前のように浮かんでいたんです。でも、そのままだと確実にイロモノになる。だからハードルは高かったですよ。それでもやろうと思ったのは、地元を復興したいっていう気持ちが大きかったから。帰省するたびにさびれていく田舎をもう一回盛り上げたかったんですよ。とはいうものの、実際に曲にするには結構悩みました。今までメッセージ性の強い曲もやったりしていたし、音源に関しては常にかっこいいものにこだわってましたから。でも最終的には15年の経験を積んだ今の自分ならただのイロモノじゃなく、かっこよく地元の阿波踊りとヒップホップを融合できると思ったんです。しかもこれは世界広しといえども、現時点では俺にしかできないって」
まさにホームボーイ。地元を愛する気持ちから生まれた名曲は徳島で熱狂的に迎え入れられ、やがて映画へとつながっていく。
「『阿波バウンス!』を作った一番の動機は、地元への愛情なんですが、戦略としても非常に重要だったんです。『阿波バウンス!』が収録されている『C2K(シーツーケー)』は俺がやっているゴールドラッシュレコーズから出している。インディーズでやってるのに普通にやってたってメジャーに勝てるわけがない。だから地元で徹底的にプロモーションすることにしたんです。地元だったら協力者もいますしね。そしてラジオでかけてもらったところ問い合わせ殺到。当時の県知事からメッセージをもらうくらい盛り上がったんです。そんな中、『阿波DANCE』のプロデューサーが徳島にリサーチに来たとき、地元の人が『そんなのとっくにやってるよ』って『阿波バウンス!』を紹介してくれて、映画との関わりが生まれたわけ」
地元徳島での6日間にも及ぶ『阿波DANCE』のプロモーションを終え、「マジで、徳島に生まれて良かった……(泣)」と故郷の素晴らしさを再確認したCO-KEYさん。見事にラッパーとして故郷に錦を飾ったサクセスストーリーを聞いてみた。
「ラップを本格的にやろうと思ったのは高校時代、アメリカに留学していたとき。日本を離れてみて、日本の良さ、言葉も含めて、それを強く意識するようになって、日本語でラップをやろうと。もちろんアメリカでも日本語でラップやってました。やってくれって言った奴の悪口しかラップしてないんだけど、『コーキ、超クールじゃん』って感動してましたよ(笑)」
ラップを始める前、中学生のころに夢中になっていたのはダンス。ミュージックビデオを見て自己流で覚えたヒップホップダンスで非凡な才能を発揮する。
「ダンスを始めたときは『また好輝が変なことやってるよ』って感じで賛同者は少なかったんですけど、そのうち『元気が出るテレビ』のダンス甲子園がブームになって、地元のメディアに取り上げられるようになったんです。中学生だったけどギャラもらって踊ってたんですよ。地元の町おこしイベントなんですけどね(笑)。でも準備運動もしないでいきなり大技やっちゃったりしたのがいけなかったのか、高校時代には足の筋を2回切って、関節もすり減って50代くらいの関節になってた。ドクターストップもかかって……。アメリカに留学したのはダンス以外の夢中になれるものを見つけたいという想いもあったんです」
ダンスという夢を諦め、新たに見つけたラッパーという夢。CO-KEYさんが上京した1995年は日本のヒップホップシーンの黎明期。現在とは違いアンダーグラウンドなジャンルだった。
「上京したてのころなんて、東京の音楽シーンなんて全く知らないんですよ。途中、アメリカにも行ってましたし。それこそインターネットも普及してませんからね。ヒップホップやってる奴なんてほとんどいないんだから、東京行けば結構いいトコ行くんじゃねえかと思ってたんですよ(笑)。で、勇気を出してクラブに行ってみたら、みんなマイク握っててすげえ上手いの(笑)。フリースタイル(※編集部注:その場で即興で歌詞を生み出しラップを披露すること)でバトルしてるんですよ。エミネムの映画の世界が現実に起きているわけ。現場にいる以上マイク握らなきゃと思って勇気を出して、持ち歌を歌ったんですよ。そしたらいきなりバトルを仕掛けられて『お前、何持ちネタ歌ってんだ』って速攻マイクを奪われた。要するにフリースタイルとは即興でラップをするという事がルールなんですよ。ショックでしたね。最初はそんなことすら知らなかったんですよ」
大惨敗だったデビュー。それでも CO-KEY さんはマイクを握りバトルを続けスキルを上げていく。その原動力は「ヒップホップを好きな気持ちでは絶対に負けねぇ!」という想いだった。東京に住んでいる人は情報も多いし、闘う相手もたくさんいる、だから今の時点では自分よりもスキルが高い。それが悔しくて毎日のようにクラブに足を運んでいた。
「バトルを続けていて良かったと思うのは、日々上手くなっていく自分が実感できたこと。自信がついたもんだから、『誰にも絶対負けねぇ』と思ってはいるんですが、なかなか上にはいけない。悶々とした気持ちをぶつけるようにデモ・テープを作って、当時すでに有名になっていた先輩たちに渡したんですが、なかなか次のアクションにはつながらなかった。そんなときラジオ番組で RHYMESTER の人が俺のデモテープをかけてくれたんです。嬉しかったですね。
これが最初の転機。次の転機は ZEEBRA からの電話。「噂は聞いてるよ、いっしょに練習しないか?」という誘いを受けたこと。そして彼のクルーの一員になったわけですけど、その後、悩んだ末デビュー前に辞めてしまったんです。辞めた理由はリスペクトするアーティストと同じグループにいてもその人を超える存在にはなれない。俺はリスナーにも ZEEBRA 氏にも刺激を与えられるソロアーティストになりたかったんですよ。今でも俺のワガママを快く受け入れてくれた ZEEBRA 氏には非常に感謝しています」
そして製作されたデビューアルバム『三面鏡』では、いきなりヒップホップ専門誌で最優秀新人賞を獲得という偉業を成しとげた。2005年には自身のレーベルを設立、ZEEBRA や AI をはじめとした様々なアーティストとの共演・ライブ等も精力的に行い、その活動の幅を広げている。
最後にラッパーを目指す若者にアドバイスをもらった。
「ラップもダンスも同じだと思うんですが、1に『研究』。まずは知るということ。そして2に『練習』。普段から韻を踏むことを意識する。そしてそれを実践する。今はバトルする場も多いですからそこで場数を踏むこと。3、4がなくて5に『センス』。なんだかんだ言っても『センス』は必要です」
サラっと言っているように見えても、苦悩を乗り越えてきた CO-KEY さんだからこそ重みを持つ言葉。この真剣かつクールなアーティストとしての姿勢をぜひ参考にしてほしい。
<次回予告>
次回は CO-KEY さんがブログを始めた理由と意味、文章へのこだわり、さらには9月に発売されるニューシングル『アガッテキナ! / ONE LOVE 2.0 feat.HI-D』についてお話をうかがいます。お楽しみに!
●文 :大石太郎
●撮影:斎藤泉
<ブログ紹介>
「CO-KEY 好きに輝く」
日々の出来事を、CO-KEY さんの視点からとらえたブログ。ピックアップするネタや語り口のユニークさは一読すればわかります!! ポッドキャスティングで楽しめる Internet Radio Show「Word Is Bond」では、CO-KEY さんのラッパーならではの言葉選びと抜群のリズム感が披露されています。ぜひのぞいてみてください!
セレブの出すお題にトラックバックまたは、コメントで答えてプレゼントをもらっちゃおう! セレブが選んだ優秀作品には、プレゼントがもらえます。どしどしご応募ください!
「ブログ『CO-KEY 好きに輝く』でどんなカテゴリーを作ってほしいですか?」(CO-KEYさん)

『阿波バウンス!』が収録されている『C2K(シーツーケー)』と、マキシシングル『ALL I NEED』をセットで1名様に! どちらも貴重な直筆サイン入りです!!
タイトルに「ココセレブ special プレゼント」と明記の上、お題に対する記事をトラックバックまたはコメントをお寄せください。なお、応募以外の感想などのトラックバック・コメントも随時受付中です!
当選者の方には、ココセレブ事務局よりご連絡させていただきますので、必ず「メールアドレス」がわかるようにブログ内、コメント欄に明記してくださいね。
(URLを入力せず名前とメールアドレスのみ入力された場合、名前は表示されますがメールアドレスはリンクされず公開されなくなりました)
2007年9月6日~9月27日(当選者発表は2007年10月4日当記事内にて)
このエントリーのトラックバックURL
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/122498/16358035
※インタビュー記事に対して、リンクおよび言及のされていないトラックバックは削除することがありますので、ご了承ください。
baseball fame hall from baseball fame hall
baseball fame hall[続きを読む] 2007/09/06 12:27:10
コメントを書く
コメント
イクミさん写真館、いつも楽しみにしています。
インタビュー、CO-KEYさんのデビュー惨敗話にびっくりしました!
つくってほしいコーナーですが、徳島弁講座もあるので、徳島とか四国のネタコーナーを作ってほしいです。
投稿: say | 2007/09/11 11:05:55
「ココセレブ special プレゼント」
いつもブログ読んでます☆
CO-KEYさんの曲は、
ライムもメロディもカッコいいと思います。
新曲も楽しみです。
ダンスもやってたなんてはじめて知りました!
ブログでは、
CO-KEYさんがオススメする曲を
紹介するコーナーを作ってほしいです。
名曲とか、最近聞いてはまった曲とか…
それか、HIPHOP系のアーティストで
オススメあったら教えてください!!
投稿: 女子大らーめん | 2007/09/11 11:55:49
インタビュー読みました!
今のCO-KEYさんになるまでにいろんな紆余曲折があったんですね…。知りませんでした。
そんなCO-KEYさんのブログに新設してほしいカテゴリーは、「相談コーナー」です。
いろんな経験しているCO-KEYさんにちょっとでも相談にのってもらえたら嬉しいのですが。。。
だめでしょうか。
あとは、服とかアクセサリーとか、オススメの店カテゴリーみたいなものもあると嬉しいです。
楽しみに待ってます~。
投稿: アゲアゲ | 2007/09/11 18:56:56