
約1年前、睡眠時無呼吸症候群になりかけていた。その後、たまたま数kg痩せる機会があってそれがきっかけで、「あっ、痩せられるんじゃないか」と思った。また、自分が何を食べているのかということに、興味が出てきた。こうして岡田さんはレコーディング・ダイエットを開始する。
「自分ではグルメなものをいろいろ食べていると思っていたんですけど、メモをとってみると、実はそうではないということに気がつきました。チョコやポテトチップス、コーラ、サンドイッチなど20年くらい、同じものばかり食べていたんですよ、僕は。これって、人間がバカになる徴候なんですよ。見てるテレビが同じだったり、食べるものが同じだったり、本屋でいつも同じジャンルの棚に行くとか」
太っているということは、太る努力をしているということ。「太るための努力を毎日繰り返す」という結果、太っているのである。その努力を止めるだけで、誰もが劇的に痩せ始めるのだ、と岡田さんは言う。では、そのレコーディング・ダイエットとは何なのだろうか?
「要するに、仕事みたいに痩せるってことです。仕事のときって、行動を管理するためにスケジュール表を書きますよね。レコーディング(記録する)・ダイエットの場合は、まず自分がなぜ太っているのかを、毎日の食事内容をメモすることによって明らかにする。これが第一段階です。次に、何を食べようかという行動予定を立て、一日の始まりのときに、今日は何を食べるのかを決めちゃうんです。そのとおり食べていると、勝手に痩せます」
このダイエットがほかの方法と違う点は、運動してはいけないことと、痩せることだけを目的にしていること。ポイントは「健康を考える前に、まずは痩せよう」と思うことであり、そのほうが早く痩せられ、結果として健康なのだという。
「健康になりながら、つまり筋肉をつけながら痩せようとして、みんな失敗しています。そうじゃなくて、まず痩せてから、次のことを考えればいいんです。もっとも極端に体重が落ちた時期は、毎週1kg ほど落ちました。そのときはほんとに体重計にのるのが楽しくて仕方ありませんでしたよ。その気分を例えれば、毎日、自分の口座に10万円ずつ振り込まれているような感じでしょうか(笑)」
毎週1kgで月に4~5kg 。これを数カ月ほど続けてみると、とてつもない効果があらわれてきた。階段を登りたくなるし、月に何回か服を買わないと前の服が着られなくなるのが嬉しい。「痩せるのは楽しいですよ」と岡田さん。カロリーの高いものは、絶対食べられないということではなくて、全部食べられないだけ。岡田さんは、メガマックを8つに切って、ひと切れだけ食べたエピソードを本で紹介している。
「ポイントは食べない分を最初に捨ててしまうことです。ここで重要なのは、『捨てた分だけ痩せられる』と考えること。あと、自分はぜいたくをしているという感覚がないと、ダメですね。俺は今から、とてつもないぜいたくをするぞと思いながら、捨てるんです。メガマックを切ったら、一番おいしそうな部分を抜いて食べる。大好きなケーキは、先端の部分だけ食べて、残りの部分には紙ナプキンをかぶせたり皿を載せてつぶす。で、店員さんに『さげてください』と持っていってもらう」
まさに王侯貴族のような食べ方だ。残したものを捨てることについては、いろいろな意見があるかもしれない。しかし「残したケーキをあなたはアフリカに持って行けるのか」と言われてもそれは無理な話だし、痩せてしまえばそんなことをしなくなるから、結果として食材自体が有効に使えるようになるのではないだろうか。
岡田さんは、ダイエットの成果をブログ「レコーディング・ダイエットのススメ」で報告した。同じやり方で10kg減ったとか15kg減ったという読者からの反響があった。「ものすごく体重を減らしたい人にとっては、福音になったみたいです。やりさえすれば、減るんですよ」と語る岡田さんに、レコーディング・ダイエットの良さについて聞いてみた。
「ご飯は毎日食べるじゃないですか。嫌でも食べなければならない。ということは、食べるたびに、痩せるチャンスがあるわけです。一方、ビリーズ・ブートキャンプは、やらずに寝てもかまわない。つまり、運動式のダイエットは、やらずに寝ることが可能ですが、カロリー式のダイエットは、やらずに寝られないんです。原理的に」
食べたいものがあったら、まず2/3の量にしてみる。それだけでもダイエットの効果があるのだという。減量してもストレスがたまらないのは、「何かをゼロにしようとは思わないから」と岡田さんはいう。
では、新刊『いつまでもデブと思うなよ』の執筆の動機は?
「男の人向けのちゃんとしたダイエット本がなかったからなんです。女の人のダイエット本って、少女漫画と同じで、途中から精神論になる。例えるなら私のように美しくなりなさい、って感じでしょうか。男向けは、それではいけません。それが執筆の動機です。今回の本は、10kg以上痩せるための考え方を書いているので、ほんの数kgだけ減らそうと思っている人には向いていないかもしれません。なにしろ、はじめは本のタイトルを『メガダイエット』にする予定でしたから(笑)」
本のターゲットは、男性読者だ。コンビニやファミレスでよく食事をしている人。家族といる人よりは、ひとり暮らしなどで食事管理がうまくできない人。ネットなどで「岡田斗司夫は、ガンで痩せたんじゃないか」などと噂されていたが、「この本が出れば、ちゃんと痩せたんだということがわかると思いますよ」と岡田さんは笑いながら語る。
岡田さんがインターネットを使い出したのは、ニフティサーブの最初期から。ずっとWebページを使っていたが、トップページしか自分で更新できない状態にやきもきしていた。そんなとき、自分で気軽に更新できる「ブログ」の存在を知ったのだ。
「まだ使い勝手がつかめていないです。写真もなかなか掲載できませんし。はじめ僕は、ブログにはおもしろい文章を書いて、最終的にまとめるのがよいと思っていました。でも、そういう書き方でないほうがいいと、いまは思っています。もっと『つぶやき』みたいなものですね。僕の世代は、ブログに書くべきものは文章だと思っている。そうじゃなくて、ブログに書くのは不特定多数の見えない友だち(=読者)に出すメールなんですよ」
ブログを書くときに、岡田さんには自分に課しているルールがある。まず、書く前に考えない。机の前に座った瞬間に書く。止まらずに書く。1回の執筆時間は、15分くらいだという。
「それが一番いい感じです。もっと考えて書くものは、本にするとか、別のことを考えます。出す媒体によって、完成度を変えるのは当たり前のことですから。いま、ここで話しているように書けるのが理想なんです。まだ、書くときに考えすぎているような気がします。今日はネタがあるから書こう、と思ってしまうのがダメ。ネタがなくても書く!」
ブログで「これは書かない」ということはあるのかという質問には、「『2ちゃんねる』で怒られそうなことは、書きませんね(笑)」と一言。コメント欄は開放しているが、あまり気にしていない。もちろん、すべて読んでいる。だが、おもしろくないかぎり、対応することはない。ところで、岡田さんはどんなブログを定期的にチェックしているのだろう。
「自分の名前が載っているブログ(笑)。僕についてどんなことをみんなが書いているのか気になって、1日に6回くらい、自分の名前でブログ検索します。あらゆるブログ検索をチェックしてから、サイトの検索もかけますから時間がかかるんです。あと、フルネームで検索すると、『岡田斗司夫』の『司』を間違えている人が多いから、『岡田斗』でも検索するんですよ」
では、岡田さんにとってのブログは、どんな存在なのだろうか。
「ブログとは、僕にとってやっかいな存在です。友だちかと思えば、裏切るし。心を開くと、それを引用して悪口を書かれるし。構えて書くと、それが見透かされて、心優しい人を傷つけちゃう。難しいですよ、ブログと付き合うのは。まるで、外国人の友だちみたいですね。やっかいと思いながらも、こうやって続けているのは、けっこう好きなんですよね。僕はブログが。ぜんぜんお金にならなくてもやっていますし。本を書くのはいますぐ止められるけれど、ブログは止められません」
岡田さんは、「友だちなんて要らない」と明言する。そして、友だちなしの生活を送るのに、ブログは便利なツールなのだという。
「仕事仲間がいれば、友だちなんて要りません。人間関係で必要なのは、仕事仲間と恋人と家族だけですから。それだけで、豊かな人生を送ることができますよ。女の友だちが要らない理由はこうです。女の人に『友だちになりましょう』って言われるじゃないですか。俺を彼氏にするつもりもないのに、俺との関係性だけ保とうというのは、その女の人にとってだけ得になる取引じゃないかといって、即断ります(笑)。男の友だちが要らない理由は、簡単です。友だちになるような人だったら、一緒に仕事をするからです。戦友とか仲間は欲しいけれど、友だちなんてぬるい関係は要らないでしょう」
ブログがあるおかげで、岡田さんはこのようにはっきりと「友だちは要らない」と言えるようになった。自分の話を聞いてもらったり、人の話を聞きたいことはよくあるが、以前はそれをリアルな生活でやっていた。しかし、ブログを使えば、いつでも話を聞いてもらえるし、人の話を聞きたい場合でも、止めたいときに止められる。
「友だちなんて作っているから、みんな無駄な時間を費やしているんですよ。友だちなんて、不良債権です。なので、ネットは便利です(笑)」
最後に、これからブログで挑戦したいことについてたずねてみた。
「この秋からは、携帯電話のみからブログを更新する、ということに挑戦したいです。で、1日3回以上は更新する。あと、ラジオのようなことをやりたいですね。ポッドキャスティングっていうんですか? 深く考えず、そのときに思いついたことをそのまま録音し、それを放送したいです」
最近は、「世界征服」や「ダイエット」をテーマにし続けてきた岡田さんだが、次のテーマは「お金持ちの研究」だという。金持ちになったら、世界がどう見えるのか。所得が10倍ずつ上がっていったら、人はどんなふうに変わっていくのか。「そういうことを、いじわるな目線で見てみたいんですよ」と語る岡田さんの目は、子どものようにキラキラと輝いていた。
<次回予告>
次週は、ご自分の誕生日(8/20)からブログ「アンナビ」をスタートした梅宮アンナさんの登場です! 始めたばかりのブログに対するアツイ意気込みをお聞きしました。「今、一番楽しいことはパソコン!」と話すアンナさんが、ブログでどんなことを発信していきたいと思っているのか!? その答えがぎっしり詰まったインタビューをどうぞお見逃しなく!!
●文 :一文字剛
●撮影:古屋陽子
<ブログ紹介>
「レコーディング・ダイエットのススメ」
岡田さんが1年にわたって取り組んできたダイエットの経過、落語への熱い想い、そして日々のつぶやきや思考で満たされた、内容の濃いブログです。語りかけるような独特の文体、そして的確な分析は、オタクならずとも引き込まれてしまいます。
セレブの出すお題にトラックバックまたは、コメントで答えてプレゼントをもらっちゃおう! セレブが選んだ優秀作品には、プレゼントがもらえます。どしどしご応募ください!
「このインタビューを読んだ感想をお願いします。皆さんのいろんな意見を聞かせてください」(岡田斗司夫さん)

岡田斗司夫さん執筆の同人誌『未来玩具』『未来玩具2002』『オタクの歩き方・日本編』『オタクの歩き方・海外編』『オタク日記』をセットにして、1名様にプレゼント。この5冊がさらに深いオタキングの世界へとあなたをご招待します!!
タイトルに「ココセレブ special プレゼント」と明記の上、お題に対する記事をトラックバックまたはコメントをお寄せください。なお、応募以外の感想などのトラックバック・コメントも随時受付中です!
当選者の方には、ココセレブ事務局よりご連絡させていただきますので、必ず「メールアドレス」がわかるようにブログ内、コメント欄に明記してくださいね。
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終了しました
N/Shin さん
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コメント
一日何回も携帯から更新するブログといえば
柳美里さんがすごいです。
友だち不要論には喝采です!
わたしも「家族」「恋人」「会社の人」
「同志」(?)が居たらそれで充分です。
あいにく「恋人」は居ませんが・・・(苦笑)
ただブログとか(やっていませんが)mixiとか
(やっています)これも結構時間を食うし
なんといっても「コメント」がめんどくさいです(爆)
「コメントに返事しません」って宣言するわけにも
いかないし「返事したいコメントだけ返事します」って
宣言するのも。。。さすがにお前「何様?」って
感じですから・・・
と、あまり考えずにコメントを書いてみました(笑)。
投稿 N/Shin | 2007/08/24 4:32:39
岡田さんが病気で痩せたと思っていた一人です。
またダイエットだったんですね。
今後のご活躍を期待しております。
投稿 JIMY-M | 2007/08/24 9:23:58
レコーディング・ダイエットを実践しています。
このインタビューは本に書かれていないことも話をしているので、とても面白かったです。
投稿 レコーディング・ダイエット実践中です | 2008/03/03 11:06:52